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黒猫の勝手気ままな放浪記

 自分の趣味に走るとこうなってしまった(」゜□゜)」 という女子高生が送るブログです。
 § 不愉快で退屈な日常―第二幕 プロローグ
2008年09月19日 (金)

長らく。
というかほんとうに何も触ってなかった小説さんたちですが・・・。
全然更新してないじゃない。と言われたので。
ちょっとずつ終わらせていこうかと思います。
えっっとたぶん。。。
まぁ生暖かい目で見ていてくださいな。
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[ 14:42:09 ]  自作小説―不愉快で退屈な日常TB (0) |  CM (0) |

 § 不愉快で退屈な日常―第十二話
2008年02月04日 (月)

ちょっとした興味だった。
音楽はそれを奏でるものの心をうつす。
この少年がどんな音をだすのか気になった。
―気になった・・・か。
自身の思いに対し自嘲的な笑みを浮かべる。まさか自分が他人を気にするとは。
しかし。
見事なものだった。
これほどの腕を持っていれば自分のピアノを本当に『聴いていた』のだろう。
―この人も・・・。春風も。独りなんだな。
春風がそうだったように、また彼女も『聴いていた』
―傷ついてるね。すごく、悲しい響き。冷たくて褪めちゃってるけど。

優しい。

予鈴がなった。しかし、春風も彼女も動こうとはしなかった。そのまま音を楽しみ続ける。音楽をつづける。そのまま授業が始まっても。
やはり彼らは音を奏で続けた。

[ 22:45:29 ]  自作小説―不愉快で退屈な日常TB (0) |  CM (0) |

 § 不愉快で退屈な日常―第十一話
2008年02月04日 (月)

「ねぇ。キミはどうしてここでピアノを弾いてるの?」
「逃げてるの。」
いきなり何の脈略もなしに尋ねられたことであったが、答えは用意されていたかのようにあらわれた。そして言ってから後悔する。
―こんな事言っても通じないのにね。
「逃げる?何から?」
当然そういう問いが返ってくるものと思ったのだ。
しかし、彼の言葉は意外にもあっさりとしていた。
「そっか。じゃぁキミもおれと同じだな。」
何から逃げているのか。
そんなことなど聞くまでもなく知っている。
そういったかんじだった。
そうか。と思い返す。それは朝、目の前の少年と交わした会話だ。
この少年は『普通』ではない。ただ大きな流れに流されるままに生き、考える事をやめた人間ではないのだ。
それを思い出し、ひとり納得する。
「春風、だよね。あなたはどうしてここに来たの?」
「えっ?ああ、ちょっと気分転換にピアノを弾こうかと思って。そしたらキミのピアノが聞こえてきて・・・。」
どうやらその目的を忘れていたようだ。静かに椅子から立ち上がりその横に立つ。
「春風のピアノ。春風の音を聴かせてよ。」

[ 22:13:31 ]  自作小説―不愉快で退屈な日常TB (0) |  CM (0) |

 § 不愉快で退屈な日常―第十話
2008年01月11日 (金)
自作小説 * 小説・文学

「すっすごいね。」
春風はそう言った。少女はそれに対しふっと笑みをこぼした。それは本当にうれしい時に出る自然な笑みではなかったが、それはすごく美しく妖艶な笑みだった。
「あっあの・・・。今朝はどうも。ありがとう。」
それを言うだけでひどい労力を使った。また、少女は笑い、
「校舎、覚えられた?」
と、軽く首をかしげる仕草をした。それはさっきの笑みとはうってかわってまだ幼さを感じさせるものだった。
「あっうん。大体必要なところは。キミのおかげだよ。」
「そう。それはよかったわ。」
それだけのやり取りでも春風の心臓は飛び出しそうだった。ついさっき校舎を駈けながら聴いたピアノの音。その音が耳について離れない。あの音を目の前の少女が奏でていたのかと思うとどうしようもなく止まらない感情があふれてきた。
「ねぇ。ピアノ・・・。もう一度、ピアノ弾いてくれる?」
もう一度聴いてみたい。彼女は目で頷くと鍵盤にその細い指をのせた。
春風はその手元が見える位置でグランドピアノにもたれかけ、奏でられるおとその音を聴いた。
フランツリスト作曲。ラ・カンパネラ。
その音は間違いなく澄んだ鐘の音だった。
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[ 22:25:32 ]  自作小説―不愉快で退屈な日常TB (0) |  CM (2) |

 § 不愉快で退屈な日常―第九話
2007年12月21日 (金)
自作小説 * 小説・文学

ふと、春風は足を止める。今かすかにピアノの音がしたのだ。自分は音楽室に向かっているのだからピアノの音が聞こえても不自然ではない。ただ誰かがいるのでは邪魔をしては悪いかと少し思ったのだ。しかしほんの一瞬聞こえてきた音色にその考えは吹き飛んだ。
「なんだよ。この音・・・。」
瞬間。春風は駆け出した。転びそうになりつつも人と物の気配を読みわけながら階段を駆け上った。だんだんとはっきりと聞こえてくるピアノの音は、よりいっそう春風の気を急かせた。
「この曲・・・。『月光』だな。」
ベートーベン作曲ピアノソナタ『月光』。
おそらく今聞こえているのは第一楽章だ。奏でられ、響く音に春風は魅了されていた。
音楽室の扉を開けたときには、曲は軽やかな第二楽章に入っていた。邪魔にならないようになるべく静かに気配を断って、手近な椅子に座る。
澄みわたった音だった。凛と誇り高く、やさしく。頬をなぜる音はまさしく青白い月の光。目を瞑ると今この場所が月の光の降り注ぐ大木に囲まれた森の中のようだ。続いて入った第三楽章も重い低音が月の不気味さを醸しだし、また澄み切った鋭さも感じられた。聞いているうちにどんどんと引き込まれていく。今自分の周りには、この音から感じられる世界しかないように錯覚した。
そこまで入り込んでふと気付く。何か孤独で不安定なものを感じたのだ。
そうだ。独りなのだ。こうして今自分が聞いているのだが、そこで音を奏でている人は独りだ。
誰にでも聞こえるはずの大きなピアノの音なのに、誰にも聞こえない。誰も聞かない。だからその人は独りで奏でる。ただ、自分のために。
似ているな。と思った。なぜなら自分がそうだから。聞こえるはずなのに、誰にも聞こえていない。この音はそんな音だ。
演奏が終わった。これを弾いていた人とは一体誰なのか。いやどんな人なのか。そう思ってその人物に意識を集中する。
えっ?こっこの人・・・。
そこにいたのは、演奏中とはまったく違う空気をまとった少女だった。
『あっ今朝の・・・。』
声をそろえて言う。
これが、春風と少女の二度目の出会いだった。

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[ 14:54:48 ]  自作小説―不愉快で退屈な日常TB (0) |  CM (4) |

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