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黒猫の勝手気ままな放浪記

 自分の趣味に走るとこうなってしまった(」゜□゜)」 という女子高生が送るブログです。
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 § 魔法使いたる魔法使いによる魔法―第三話
2007年12月24日 (月)

ディギンは迷っていた。その扉を開けるかどうかで。
そう。その扉とは魔女、ラックアイの住む、いや、住んでいるはずの家の扉だ。
小さいのだ。
すっかり失念していたがこの家、薄っぺらい上に小さい。
扉の前にしゃがみこみ、それとにらめっこを繰り返す。もうすぐ日が消える。日が消える黒の刻までになんとか建物に入らなければ自分の身が危ないのだ。
この世界では日があり、白の神の加護がある白の刻と、日のない、黒の神の支配する黒の刻がある。これらはその日によって長さが変わるので、人々は魔法を使うものたちの日占に頼るのだ。黒の刻は黒の神の眷属である魔が支配する刻となる。反対に白の刻には白の神の眷属である人間やその他の動植物たちが世界を使う。よって日の消える黒の刻に人間は出歩いてはいけないのだ。それは変えられる事のない定められた理。
悶々としているディギンだが、次の瞬間、無数の星を見ることになる。
どがんっ。
二度目。
「あっ?ああ。あ?」
妙に気の抜けた魔女の声だった。
「この野郎っ。いきなり開けんじゃねぇよ。何でこんな薄っぺらくて小さい家から出てこれるんだよっ。」
「遅い。もうすぐ日が消えるぞ。死にたくなければ早く入れ。」
もちろんディギンの話しなど右から左。
「だからっ。人の話を聞きやがれー!!どうやって入るんだよっ。」
「む?かがめば通れんこともなかろうに。その程度の事にも考えが及ばないのか。情けないぞビギン。」
「人の名前もろくに覚えれねぇ奴に言われたかねぇよ。俺が言ってるのはどこに入るスペースがあるのかってことだよ。奥ゆきがねぇだろ奥ゆきがっ!!薄っぺらなんだよ。皿にちいせぇ。」
「失敬な。私はここに住んでいるんだぞ。人の家に文句をつけるかっ。」
「だからっ。住めるのかって聞いてるんだよっ。あああああ。もうっ。もういいっもういいっとにかく入れるってんなら入れろっ。」
「何ひとりで喚いているんだ。カルシウムが足りてないんじゃないか?まったく。自身の健康管理もままならないとは。本当に情けない。」
「うるせぇっ。お前がわりぃんだお前が。」
ディギンのぼやきを背に受けながら、例の扉に吸い込まれていく。しぶしぶディギンもそれに続いた。

「すっげぇ。」
「ふんっ。外からでもこれくらい見破れっ。たいしたまじないなどかけてはおらんぞ。」
ディギンはただ唖然とするだけだった。何かしらの術であのような外見を見せているのだろうとは思っていたが、まさか中がこれほどとは思わなかった。
一言で言えば、ものすごく広かったのだ。そして趣味がよかった。
木造の建物で、中では暖炉が暖かな光で木が綺麗にひかっている。赤くみごとな刺繍の施されたカーペットが暖炉の前に敷かれ、その上に暖炉を囲むようにしてソファが置かれていた。どうやら二階もあるようで奥に螺旋階段が見える。最低限のものしか置かれてはいないようだが、その一つ一つに何かしらの細工が施されてあって、それらはお互いをとても引き立てあっていた。
「まじですげぇ。」
ディギンそうつぶやく事しかできないでいる
「おいっぼけっと突っ立ってないで上に行け。お前の部屋は二階だ。さっさと荷物を解いて村の様子を教えろ。」
魔女が声を掛けた。が、ディギンは魔女の姿を見て、そんなつぶやきでさえも漏らす事ができなくなってしまった。
「おいっ聞こえてるか?外に放りだすぞ。」
ディギンは顎が外れるのではないかというくらい口をあんぐりとあけている。
「何だその格好は・・・・。」
そういうのが精一杯だったようだ。
「ん?なんだこれも見破ることができなかったのか。まったく。本当に情けない。」
そこには魔女がいた。ただし先ほどの子どもの姿ではなく女性の姿で。
黒い衣装と黒く長い髪に変わりはなかったが、目の前にいる彼女は16歳といったところだろう。ついさっきまでそこにいた子どもと同じ人物だとはまるで思えないほど美しいという表現が似合う女性だった。
「おい。身長・・。身長いくつだ?」
やっと言えた二言目がそれだった。
「五尺と六寸ほど。今のこの姿ならな。それがどうかしたか?」
「なんでそんなややこしい表し方を使うっ。センチメートルという単位を使えっ。」
やはり同一人物のようだ。
「はぁ。何を混乱しているのかは知らんがとりあえずそこに座れ。荷物はあとだ。村の様子を話せ。」
お茶をと菓子を入れた盆を運びながら促す。
「はっはい。」
驚きのあまり敬語になってしまうディギンであった。
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[ 21:58:54 ]  自作小説―魔法使いたる魔法使いによる魔法使いのための魔法。TB (0) |  CM (1) |

 § 魔法使いたる魔法使いによる魔法―第二話
2007年12月08日 (土)

「おい。」
「無視。」
「いや返事してんじゃねぇか。」
「返事ではない。変事だ。」
「それ意味わかって使ってんのか。よくない出来事って意味だぞ。」
「却下。」
「却下すんじゃねぇ。弟子の言う事ぐらい聞きやがれ。」
「師匠の言う事ぐらい聞きやがれー☆」
「てめぇは何も言ってねぇじゃんかよ。」
「ふん。言わずとも伝わる事がある。それが分からんでどうする。」
「意味わかんねぇよ。」
結局ディギンは始めに聞こうとしたことも忘れてしまった。
村をまわる道すがら、気になる事を聞こうと努力するディギンだったが、それは全てこのような魔女との応酬によってもみ消されてしまったのでした(-∀笑))
「まった。」
いきなり魔女が足を止めた。
「ここから先はお前が一人で行け。」
「は?」
「いいから行け。魔法を使ってもかまわない。おそらく使う事になるだろう。自分が使うべきだと思ったなら使え。その判断ぐらい自分でしろ。」
会ってからおそらく初めてだろう。まじめな顔にまじめな口調で魔女は言った。さすがにディギンもそれが分からないほどではないのでまじめな顔にまじめな口調で返す。
「分かりました。」
「ぶっっくっっわっははははははは。ひぃっ。キャハハハハハハハハハ。」
「????。」
「キャハハハ。こっこいっつ、まっまじめに答えやがった。はははは。たったったこれだけのことで。ギャハハハハハハハハ。似合わねぇぇぇ。キャハハハハ。騙されてやーんのぉ。キャハハッハ。」
ディギンはもう返す言葉さえ持っていなった。完璧に自分の負けだ。言い訳のしようがない。こいつの、魔女の性格を読み違えた。この程度でっ。この程度でまじめな口調になるなどあり得ないのだ。まったく。
ディギンはまだ腹を抱えて笑い転げている魔女に向かっていくつかの、いや、いくつもの呪いの言葉を吐き、そんな魔女に背を向けて道を進んで行った。
もう二度と魔女を信用するか。と胸に刻みながら。

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 § 魔法使いたる魔法使いによる魔法―第一話
2007年12月04日 (火)
自作小説 * 小説・文学

「じゃぁついてこいや。(笑)」
蟻に飽きたのか唐突に奴は言った。そう奴は。奴=魔女。
「おいっ(笑)ってなんだよ(笑)いって。」
『(笑)』
なめんなよ。おい。こいつ直接俺の脳に映像叩き込んできやがった。

(笑)

と。んな高度な魔法どうでもいいことに簡単につかうなよ。
「とりあえずついてきなさい。ビギン君。」
「ディギンだよ。おい。」
「ああ。わかったわかった。ビギャン君。」
「さり気にお前。過去形にしたよな。小技きかせてんじゃねぇよ。」
「ふふふ。気がついたか。ならば、ビギン(begin)の意味を知っているかい。」
「それくらい知ってるさ。“始める”だろ?」
こんな会話をしながら俺たちは俺が魔女の家に向かった小道を今度は村のほうに歩いていた。
「そうだ。修行の始まりにはピッタリだろう?」
「はじめに名前間違えた時からそんなこと考えてやってやがったな!」
「いいや。はじめはマジに間違えた(笑)」
「(笑)はもういいから。」
「さて。ビ
「ビガンとは言わせねぇ。」
「ちっ。」
しっした打ちしやがった。ちなみにビガンはビギンの過去完了系だ。
「まぁ。これから村を一周する。その間気がついたことがあれば何でも聞け。適当に村の人の顔は覚えておけ。魔法も適当に使ってかまわない。」
「ん?いいのか?俺はまだ一人前の魔術師じゃぁねぇぜ。」
そういうと魔女は足を止め、考えるそぶりを見せた。
「そうだな。うん。お前。ディギン。私のことはラックアイ様と呼べ。」
「じゃぁ魔法は勝手につかわしてもらうぜ。」
「魔法禁止。絶対禁止。つかいたけりゃ語尾ににゃんをつけろ。」
ひでぇ。
「うっ。ううう。使わせてください・・にゃ・・・にゃん!」
「キャハハハハハハハハ。こっこいつマジでいいやがった。キャハハハハハハ。」
笑いやがった!まじでひでぇ。こんな奴の下で修行なんてとんでもない。今からでも引き返すのが絶対に正解だとその時俺は悟った。いい魔術師になんざなれなくていいから家に帰して欲しい。ん?そういえば・・・。
「なぁ。魔女。」
「ラックアイ様。」
「ラックアイ。ここに来る前そこの村人に『いい魔術師さんになるさね。あの魔女さんはいいひとだからねぇ。』って言われ
「マーラックのおじさんっ。お野菜ありがとうございます。関節痛のお薬利きましたか?」
・・・。声が違った。なんだか高かった。見た目相応の女の子の声だった。
「おお。魔女さん。野菜なんざちょっとしたお礼じゃよ。いつもいろいろ良くしてくだすって。関節痛もバッチリだわい。」
今気がついたがちゃっかり野菜のかご。取られてたようだ。恐るべし、魔女。
「それはよかったわ。また何かあったら教えて下さいねぇ。」
「ああ。たのむよ。お弟子さんもがんばってな。」
さっきやたらとおしゃべりだった爺さん。
「はい。ありがとうございます。」
とりあえず魔女の真似をしておいた。
「じゃぁ次行きましょう。ディギン。」
ぞわぞわした。今まで感じたことのないほどの寒気を一瞬にして魔女は俺に与えた。

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 § 魔法使いたる魔法使いによる魔法―序章
2007年11月30日 (金)
自作小説 * 小説・文学

「ああ。魔女さんとこかい?そこの角を曲がったところにある森の端にあるよ。」
「そうですか。ありがとうございます。」
丁寧に頭を下げる。ほぼ教えてもらった道順どおりだ。
「あんた今度魔女さんとこに弟子入りするっていっとった魔術師さんかい?」
「ええ。そうですが。」
「そうかそうか。いい魔術師さんになるさね。あの魔女さんはいいひとだからねぇ。」
「そうですか。」
ちょっと鬱陶しくなってきた。
「ああ。魔女さんとこに行くならこれ持ってってくれないかい?今日の朝採れたばっかりなんじゃよ。」
手渡されたかごの中には夏野菜がこんもりと顔を並べていた。
「わかりました。では。」
「ああっ。兄ちゃん兄ちゃん。」
“ああ”というのがお気に入りだそうだ。
「魔女さんち。すっごく小さいからね。気をつけるんだよ。」
いまいち意味がつかめなかった。いくら小さいと言っても人が住んでいるのだから見過ごすこともないだろうに。ほんとにわけのわからない爺さんだ。しかし厚意は厚意だ。これからしばらくこの村で暮らすことになるのだろうから印象を悪くしてはいけない。
「ご親切にありがとうございます。」
こころのうちを悟られないように細心の注意を払いながら、なるべく丁寧に見えるように礼を言う。しかし言うなりおしゃべりな爺さんに背を向け、これ以上話が長引かないように早足で森の端へ向かう。

・・・・・・。

「こっこれだよ・・・な?」
自分が夢を見ているのではないかと本気で思ったのだ。はじめてだろう。初体験。でもできるならこんな形の初体験はしたくない。現実が受け入れがたく、思わずまわりを見渡す。
「まじか・・・?」
目の前には確かに家があった。だが、

小さかった。

本当に小さかった。扉は1mと30cmほど。
そのほかの特徴は。
なかった。
ただ扉の両側に60cmほどずつの壁があるだけだ。彼の身長だと屋根を見下ろす感じになる。
「ありえねぇだろ。どーやって住むんだよ。」
しゃがんでじっと扉を見つめる。住めるはずがない。どころか入れるわけもない。まるで子どものおもちゃだ。見た目に小さい以外、村に小屋を少し住みやすくしたかんじのごく普通の家だ。小さい以外。どうするか悩む。扉をノックするかどうかでこんなに悩むのも初体験だ。来て早々帰りたくなった。このまま帰っておとなしく布団にもぐりたかった。悶々していたが、それも次の瞬間消し飛ばされた。吹っ飛ばされて、撃墜された。
どがごんっ。
なんとも景気のいい響きが森になりひびいた。
「あっ。」
原因はいきなり開いた扉。理由は中から人が出てきたから。
「あっあああ。ああ?」
「いやわけわかんねぇから。」
特に最後の“?”
「ふえっ?」
「てんめぇわざとやってやがんのか?」
ぐわぐわ鳴り響いている頭をなだめてやっと言えたのがそれだけだった。次に顔を上げると。
いなかった。
「おいっ。」
どがんっ。
二度目。どうやら一度引っ込んだらしい“人”は、再び出てきたらしいのだ。迂闊。
「えぇぇ。今思い出したんですけど。ディギンさんですか?」
見た目7歳。特長。黒い。髪がやたら長くふくらはぎあたりまで真っ直ぐ垂れている。で、幼い体躯にはまったくにあわない黒い細いワンピースを着ている。ブーツも黒で、しつこいぐらいにまかれたベルトが紅い。
「ああ。そうだよ。ディギン=グロウズだ。あんたがガーリシュ=ラックアイか?」
聞いてなかった。
どうやら蟻の行列に興味がうつったようだ。
前途多難。オレの修行はこの先どうなる。
本気で自分の将来を案じた瞬間だった。
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